社員インタビュー

開発本部 商品開発部 商品開発課 主任 山口 聡 2009年入社

ご利用者様の生活をデザイン出来る

デザインを職にしたいと思ったきっかけは、高校生の時に発売された携帯電話でした。その当時は、どの携帯電話も同じようなデザインでしたが、きっかけとなった携帯電話は「形・色・触感」など全てにおいて圧倒的な存在感を持っていました。その存在感に強く感動し、私も人の心に残るようなデザインをしてみたいと思い、大学ではプロダクトデザインを専攻しました。
幸和製作所を選んだ理由は2つあります。まず1つ目が、「これからの時代が高齢化社会だから」という理由ではなく、「介護業界」である事です。福祉用具に対して暗いイメージを持っている方もまだまだ多く、実際に利用する事に抵抗がある方がたくさんいらっしゃるのが現状です。私は、大学時代からユニバーサルデザイン(全ての人が使いやすい、優しさと思いやりのあるデザイン)に関わる製品をデザインしていました。「介護業界」であれば、これまで学んできたユニバーサルデザインと共に、バリアフリー(高齢者・障害者などに配慮したデザイン)をデザインできると思いましたし、福祉用具へのイメージをデザインで変えたいと思ったからです。2つ目は、「福祉用具の総合メーカー」だからです。私はいろいろな物をデザインしたいと思っていましたので、総合メーカーである幸和製作所なら歩行・食事・入浴・排泄等、ご利用者様の生活の支えとなる様々な商品をデザインできる所に魅力を感じました。

ご利用者様の気持ちを理解する事を忘れない

山口 聡

入社してから一番の挫折はデザインから開発までのすべてに携わった商品が販売不振で廃盤になった時です。経験・知識不足も大きくありますが、市場調査やマーケティングの読みが甘かった事が原因だと痛感しましたので、マーケティング・福祉用具等の資格を取る為に勉強もしました。ですが、一人で勉強するだけでは商品開発をよりよくする事は難しく、技術面ではとても追いつく事は出来ませんでした。商品開発課では、開発に携わる全ての事を自分で担当する事がほとんどですので、「上司・先輩の仕事を見て技術を学ぶ・盗む」という気持ちが大切だと思います。会社で学べない事は、病院、施設、販売店等、現場の方々の意見やお話しを聞かせて頂いたり、自分に必要な技術を得るためにセミナーに参加したりしました。

山口 聡

福祉用具のご利用者様はご高齢の方がほとんどの為、新しいものがまだまだ受け入れられにくいのが現状です。ただ、「おしゃれな物をデザインしたい」「これまで学んできた技術を生かしたい」と言う気持ちだけでは仕事を続ける事は難しいと思います。「介護業界でこんな商品を作りたい」「介護業界をこんなふうに変えて行きたい」という意欲、そして何よりも一番大切なのは「介護業界が好きである事」だと私は思います。私は介護業界が好きですし、近い将来で言えば私の両親、またはいずれ私自身が使っていくだろう商品を開発出来る事を楽しんでいます。介護は、「しんどい」「汚い」「暗い」等、ネガティブなイメージを抱きがちですが、デザインでそのイメージも大きく変える事が出来るのではないかと思うと、とてもこの仕事にやりがいを感じます。私がデザインする時に常に心に置いている事は「ご利用者様の気持ちを理解する」という事です。簡単なようで、実は一番難しいところです。福祉用具は、障害のみを乗り越えたらよいと考えて作りがちですが、私は身体の負担を軽減させるだけではなく、ご利用者様の気持ちを理解し心の負担も軽くする事が大切だと思います。例えば、車いすやシルバーカーはネガティブな印象を持たれる事が多いかも知れませんが、もし商品がとても洗練されたデザインで、しかも電動であればどうでしょうか?「あれって車椅子なの?」「あんなに可愛いシルバーカーなら使ってみたい」とポジティブな印象がネガティブな印象よりも勝るのではないでしょうか?そうであれば、人目を気にする必要もありませんし、もっと外出やおしゃれを楽しんでもらえるのではないかと思います。ご利用者様はもちろん、ご家族の方の生活をより明るくする事が出来るのが、「デザイン」という仕事だと思っています。これからのデザイン、商品開発次第で、介護業界はもっと明るくなりますし、もっと若い世代の人達からも興味をもってもらえると思いますし、まだまだたくさんの可能性が介護業界にはあると思います。

自分の武器を知り、どう生かして行くのかが大切です。

山口 聡

商品開発をするにあたり、上司から商品テーマを与えられますが、ゼロから商品を作り出すことは本当に難しいです。私は企画力・デザイン力といった武器があります。この力は間違いなくこの仕事をする上で「自信」になると思います。設計等はまだまだ勉強が必要ですし、知ったかぶりをして取り繕ってもその技術に長けている人には簡単に見透かされてしまいます。わからない事はわからない、自分と向き合う事、上司からの厳しい言葉も自分の中で消化してプラスに変えていく力が必要です。商品開発は一人では出来ません。商品開発課は多様なプロフェッショナルの集まりですし、私は上司・同僚を尊敬しています。誰がどんな事に長けているのか、自分の力はどんなふうに役立てて行けるのかを理解する事が大切です。
私が担当した商品の中で、特に力を注いだのが「次世代シルバーカー」です。私にとっての「企画デザイン」の代表作品は「次世代シルバーカー」と言っても過言ではありません。次世代シルバーカーは、企画デザイン、設計、電気で長けた技術を持つ者が協力して開発するという、これまでの商品開発課にはない試みでした。私は企画デザインを担当し、固定概念や型にはまった発想ではなく、「デザインでネガティブな印象をポジティブに変えられる力」を存分に発揮出来るように努めました。その結果、商品化には至りませんでしたが、今までには無かったデザインが生まれ、メディアにも取り上げられ、展示会でも賞を頂ける等の成果が残せたのだと思います。
これまでの商品開発課はゼロから商品を作る事を一人で行うスタイルでしたが、そのスタイルも変わり始めています。「次世代シルバーカー」も変化の大きな要素だと思います。これまで以上にご利用者様の気持ちを理解し、より良い商品を開発する為にも、商品開発課はもっと、営業担当、病院や施設の皆様、たくさんの方々とコミュニケーションを取る事が必要だと思います。

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